『らしさあふれる、ストーリー戦略』

【全世界強制リセット。未曾有の時こそチャンス】

メイン事業に関してはコロナの影響により、現在は9割方やめている状態です。なぜやめたのかといいますと、これまで震災やリーマンショックのような未曾有の事態のときこそ「フッ軽」=フットワークを軽くしてムーヴメントが起きるようなことをやってきたのですが、その未曾有の事態が今回はコロナの流行であったわけです。
 
今、「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念のDX=デジタル・トランスフォーメーションについてよく言われていると思うのですが、CX=コーポレート・トランスフォーメーション、要は会社も変わらないといけないし、デジタルに変わっていかないといけません。さらに、PX=パーソナル・トランスフォーメーション、個人も変わっていこうよという流れにもなってきているのかなと思っています。

※デジタルトランスフォーメーション(Degital transformation)とは:「企業がテクノロジー(IT)を利用して事業の実績や対象範囲を根底から変化させる」という意味合いで用いられることが多いビジネス用語。定義や解釈が多義的ではある。

『らしさあふれる、ストーリー戦略』は、失敗を糧にした、しくじりテンプレート笑

ここからが『「らしさ」あふれる、ストーリー戦略』の概要になってくるのですが、大前提としてこれには二つの軸があるように思います。

 一つ目が「Identity(アイデンティティー)」…「らしさ」です。今回のテーマの中心である「らしさ」ですが、これは「偏愛の集合体」という捉え方をしています。

 二つ目が「Business(ビジネス)」で、これはお金とか資本主義を指しています。一つ目の軸と相反するような感じではあるのですが、ここは共生…共に生きるのが大前提であると考えています。ただし、優先度として「らしさ」がナンバーワンで、次にお金側の土台も硬くしようねというコンセプトになっています。

 それでは、なぜ「らしさ」を一番大切にするのでしょうか。
僕は3年ほど前に脳腫瘍を患い「死」というものをリアルに感じる経験をしました。時間は有限であるとよくいわれますが、このときほどそれを痛感したことはありません。幸いにも今は後遺症もなく元気なのですが、そのときの体験を境に、自分にとって心地よくないことにまで時間を費やしている暇はない、「やりたいことをやったほうがいいよね」という考えを持つようになったわけです。

【摂理に逆らうな】

 「摂理」について考えた場合、摂理には三つの種類があるように思います。
その一つ目として、「①地球のルール」これは自然の摂理を指していて、地球らしさといったところでしょうか。非常に大きな力(ルール)として存在しています。
 次に、「②身体のルール」フィジカルの摂理です。これは人間らしさにつながってくるルールで、であるサーカディアンリズム(概日リズム)※1やSNPs(遺伝子)※2などが挙げられます。
 最後に、「③個人のルール」です。個人にはそれぞれ一人一人のルールがあって、これは衝撃的な原体験や育ってきた環境により形成されると考えてよいでしょう。経験の摂理として個人らしさにつながってきます。

 「自然の摂理=自然体」が最も強力であり、この摂理に反した行動、取り組みをしていると、いつか必ず無理がたたって負ける、痛手を負うことになると考えています。
 ですから、個人や会社ともにこの摂理には逆らわない状態、つまり自然体の状態というのが最強であるような気がするのです。時間を忘れて夢中になってしまう状態をイメージしてもらえるといいかもしれません。空気やデータに惑わされないで、自分の頭で考えて自分の言葉で話しているときは、やはり熱量もあるし人を巻き込む力にあふれています。
 昔から「好きこそものの上手なれ」という言葉があるように、はまっている人となんとなくやっている人には大きな差が生まれます。ですから、自分がはまっている状態を見付けることがすごく大事なのかなというふうに思っています。

※1 サーカディアンリズム(概日リズム)とは:人間、動物、植物、菌類、藻類などほとんどの生物に存在する約25時間周期で変動する生理現象。一般的に体内時計と呼ばれる。厳密な意味では概日リズムは内在的に形成されるもので、光や温度、食事などの外的刺激で修正される。参照:wikipedia

※2 SNPs(遺伝子)とは:ゲノムDNAの構造が明らかになるにつれて明確になった塩基配列の多型で、1塩基の違いに基づくことからこのように呼ばれる。参照:Weblio辞典

【なんでもコモディティ化するから、自分の羅針盤を見つける】

続いて、コモディティ化についてですが、コモディティ化とはそれまで高付加価値を持っていた商品やサービスが、類似したものの流通によりその価値が失われ一般化してしまうことをいいます。
 
今は何でもコモディティ化してしまっている状態で、携帯電話に初めてカメラ機能が搭載されたときはすごい衝撃がありました。しかし、今ではどの機種にもカメラが搭載されておりすでに一般化しています。高品質、低価格のところだけで他と差別化を図ろうとするのは、今の時代なかなか難しいことのように思います。ですから、自分の中での主観的な羅針盤のようなものが、これからは必要になってくるのではないでしょうか。

「機能的価値」「情緒的価値」とは?

商品やサービスの付加価値の種類についてはいろいろな捉え方がありますが、今回は「機能的価値」と「情緒的価値」、この2つの価値について話してみたいと思います。

 「機能的価値」:これはサービスや商品が持つ性能や機能(スペック)から生まれる価値ですが、コモディティ化しやすい現在では、この機能的価値だけで差別化を図ることは困難でしょう。
 機能的価値の高い(性能・機能の品質が高い)サービスや商品を提供したとしても、すぐにまねをされ、類似したサービスや商品が市場に出回ることになります。そうなると高品質であることは当たり前のようになり(コモディティ化)、最終的に価格競争などの熾烈な戦いとなってしまいます。
 「情緒的価値」:商品やサービスにセラー側のビジョンやストーリーを付加し、消費者の感情面への作用に焦点をあてたものです。セラー側の歴史とか感情、想いなどに対しユーザーの共感が得られれば、その商品やサービスは情緒的価値を有していることになります。
 
作り手側が「こういう世界観でいくぜ!」という純粋な気持ちを持って作った商品・サービスは、機能などに比べてまねされにくいだけでなく、作り手側もやっていて楽しいのではないでしょうか。ですから、スペックとして数値化・表示できる機能や性能に加え、ビジョンやストーリーもこれからは可視化していく必要があると思っています。

自分と向き合い、「らしさ」を引き出すだけでいい

 『「らしさ」あふれる、ストーリー戦略』の「らしさ」が一番のキモで、自分と向き合う旅に出るということが非常に大事になってくると考えています。他人にどう思われるか多少気にすることはあっても、他人の目、意見にとらわれないように注意しなければなりません。

自分自身に深く潜ってしっかりと自分と対話することはあまりないのではないでしょうか?せわしい日常の中で時間だけが過ぎ、疲れ果てて寝てしまっていてはなかなかそういった時間はとれないかもしれません。しかし、答えはいつも自分の内側にあると僕は考えているので、ぜひ時間を見付けて、ゆっくりと自分と向き合う機会をつくってほしいと思います。
 
僕自身はランニングやキャンプをやっているのですが、キャンプのときであればたき火を見ながら自分と話をしています。あとは、サウナに入りながら話すこともあるのですが、物理的に熱いので一個ぐらいしか考えている余裕がありません。ただ、そういうときでも頭の中にあふれ出てくることというのは、結構ナチュラルでそのときにやらないといけないことであったり、本当の願望だったりする気がします。このようにして皆さんもぜひ本当の自分をさらけ出す時間をとってほしいと思っています。

【お金はバーチャルな共同幻想であり、コンセプトだ】

皆さんに中には「現実は好きなだけじゃ生きていけないじゃん。理想論でしょ?」と思われる方もいるのではないでしょうか?僕もそう思います。

そこで2番目の軸「ビジネス」…なぜお金も大切にするのかというお話をしていきましょう。
 前提で話したように、「らしさ」が優先度ナンバーワンだと僕は思っているので、そこを優先しつつ資本主義のルールに照らし合わせてビジネスモデルを作ろうという考え方でいます。

お金に関していえば、お金はバーチャルな共同幻想、皆が信じ切っているルール、コンセプトと僕は捉えています。お金について理解することは必要だけども、お金にとらわれ過ぎて執着することがないように気をつけなければなりません。
 お金は信頼を数値化した便利な交換道具である。つまり、信頼といっても基準が曖昧ですから、それを数値化して分かりやすくしたのがお金のルールだと考えています。
 世界のほとんどが資本主義のルールで回っていますので、この現状を変えることは困難です。だからこそ、資本主義のルールを極めて、「らしさ」を最大限表現することが今の世界ではフィットするのかなと思っています。

【論語と算盤の考え方がベース】

渋沢栄一さん※1が『論語と算盤』※2という本の中で、「論語」と「算盤」これらを高い次元で両立させることの必要性を説いているのですが、僕はこの超絶バランスが必要であるという考え方に感銘を受けました。
 「論語」というのは、人としてのよさ、道徳的なことを指し、「算盤」は利益もしっかり取ることを表しています。
 利益をしっかり取るほうばかりを追求していて人としてよくない人、皆さんの周りにはいませんでしょうか?僕の周りではお金にとらわれ過ぎ自分だけ利益を奪っていくような方をしばしば見かけます。資本主義のルール自体は人間が作ったルールなので、そこまでとらわれる必要はないと僕は思っています。

※1 渋沢栄一(1840-1931)
「日本資本主義の父」と評され、日本で最初の銀行「第一国立銀行」をはじめとする、500以上の企業設立に尽力
※2 論語と算盤(1916)
経済と道徳の両立を説く。「道徳経済合一説」

【世界の新ルールと真の理解の重要性】

世界のルールも今、絶賛変更中です。SDGs=持続可能な開発目標という世界目標が立てられたことは、たぶん歴史上今までないのかなと思うのですが、今はこのSDGsを本気で理解、共感、実行しないと応援されない時代です。ですから、これからはそのことをベースに物事を考えていかないといけません。
 今までは「SDGsやっています」といった具合に、SDGsを名札的に用いることで会社の印象を上げている企業さんがあったようですが、ガチでやっていないと本質を理解していなかったことがいずればれるときがきます。やはり、本質を本当に理解するというのは大事だなと思います。

今まで、人は皆、利益を上げることに躍起になり、周りの環境に対する意識は決して高いものではありませんでした。結果、世界は気候変動、砂漠化、大気・水質汚染など多くの環境問題を抱えることになりました。さらに今、新型コロナの世界的流行によって、現代社会・経済の危うさや脆さを我々は痛感しているところです。

人間がこの先もずっと地球に住み続けるためには、SDGsをはじめとした世界的目標を掲げ、一丸となってその達成に向けて舵を切らなければなりません。そのためには、利益を最優先とする考え方を変えていく必要があります。これからは常に地球環境を最優先とし、その中で人がいかに自分らしく生きていけるかを考えていくのです。お金も優先度が下がったからといって大切なものであることに違いはありませんが、これまでのような方法で利益を上げるのは厳しくなるでしょう。しかし、人間として会社として、個々の「らしさ」を追求していった先に自由競争社会を生き抜くヒントが隠されている気がしてなりません。

【優先順位を逆転させる】

優先順位の考え方ですが、今までは「資本主義」が優位でお金を稼ぐためにやりたい放題だった感じがします。その次に「人間」がくるのですが、「人間」を優先せずにやりたい放題やった結果、過労死やうつによる自殺といった深刻な事態を招いてしまっています。

日本の自殺者数は年間2万人ぐらいですが、今年はコロナの影響でもっと増えているのではないでしょうか。そう考えると、コロナだけでなく自殺も問題だなと僕は思っています。経済ばかりを優先し、人間が利己的に作っていった今の世界は、環境破壊、気候変動、森林火災など多くの問題を抱えています。自分たちの手で地球に住みづらくしている感じがしてなりません。これからは優先度を逆にして考えていくことが必要でしょう。まず、地球にとって悪いことをしない…ここをベースとして、次に自分らしく心地よく生きる人が増えることを目指します。そして最後に、お金に囚われることのないように注意をしながら資本主義経済を動かしていく。これが理想の形ではないでしょうか。

【経済環境が予測不可能、不安定で不確実なグラグラVUCA時代】

VUCA(ブーカ)という言葉をご存じでしょうか?

VUCAは、我々を取り巻く経済環境が予測困難な状況にあることを表した言葉です。VUCAの時代である現在、僕たちは不安定で不確実な、複雑で曖昧性の高い土台の上で生きていることになります。

最近ではコロナの世界的流行という誰も予測していなかった因子によって、社会・経済が大きく揺らいでいます。何か事業をする際、事業理解、事業説明という点で必要最低限の事業計画は必要ですが、未来予想が困難な時代ですから、やってみるまで分からないことが増えるのは仕方ないのかもしれません。

【最悪、死ななきゃOK。やり直せる!】

たとえ時代が変わっても、VUCA時代のような不安定な環境でも、「らしさ」というのは、ずっと自分の中にいるものであり、だからこそ「らしさ」が一番重要なのだと思っています。

ただし、「らしさ」を磨いてばかりいるのではなく、先ほども言ったように、「お金」という基礎の部分をしっかり固めておかなければなりません。
「らしさ」を理想的な家とするならば、「お金」は家の基礎、地盤です。この地盤が弱いといくら理想的な家を建てても倒れる危険性が常につきまとうことになります。

 ステップ1は、自分の声と対話すること、自分の本当の声にうそをつかないということです。世界観をさらけ出して「らしさ」を定めるという感じです。
 ステップ2は、ロジカルシンキングです。先人たちが作ってくれたテンプレートを活用する、もしくは僕が独自にカスタマイズしたテンプレートも貼っておいたので、これの各項目を埋めていってもらえるといいかと思います。
 ステップ3は、動くことです。動かないと意味がないので、「死ななければOK!」というぐらいの気持ちで動くことをおすすめします。

【自分と向き合う旅に出よう】

以上が僕の基本的な考え方ですが、テレビや本、YouTubeなど周りのノイズが邪魔になるかもしれませんが、自分の内に眠っている小さな熱い炎のようなものに目を向け、自分の声をしっかり聞いてみてください。本当はどういう生き方をしたかったのか、会社としての「らしさ」とは何なのか、そういったことがあぶり出せると思います。自分と向き合う旅に出てみましょう!これを実際やってみたという方、ぜひ感想を聞かせてもらえると僕も励みになるので教えていただけると幸いです。

移動中やスキマ時間は、音声でもお楽しみいただけます!

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【保存版】「らしさ」あふれる、ストーリー戦略 by らしさ溢れる世界へ。 起業をしてから9年がたち、その間失敗したことも小さな成功もありましたが、9年間の集大成として、そのあたりのことをしくじり先生的にまとめた資料を作りました。今回はそ...

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この記事を書いた人

佐藤 駿のアバター 佐藤 駿 クリエイター | 作家

学校では教えてくれない「遊ぶように生きる」最高の仕事術「PLAYプログラム®」︎準備中!バイク事故/脳腫瘍疑惑で絶体絶命を2度経験→生き方をアップデート | ①潜在ポテンシャル ②心身の健康 ③自動化ビジネスを融合して、利益は2倍/働く時間を1/2に | ひとり起業(事業売却6回) | 3社取締役 | 3姉妹のパパ

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