睡眠負債は、人生の負債

「最近、どうも疲れが取れない…」「休みの日は、一日中寝て過ごしてしまう…」そんなあなたは、もしかしたら「睡眠負債」を抱えているのかもしれません。

睡眠負債とは、毎日の睡眠不足が借金のように積み重なっていく状態のこと。

「今日は少し夜更かししても、週末に寝だめすれば大丈夫」そう思っていませんか?

しかし、睡眠不足の影響は、あなたが思っている以上に深刻です。

スタンフォード大学の睡眠医学専門家、ウィリアム・C・デメント教授は、「睡眠不足は、判断力や集中力を低下させ、事故のリスクを高めるだけでなく、肥満、糖尿病、心臓病、うつ病など、様々な病気のリスクを高める」と警鐘を鳴らしています。さらに、睡眠負債は、私たちの見た目にも悪影響を及ぼします。睡眠不足になると、肌のターンオーバーが乱れ、シワやたるみの原因になり、目の下のクマや肌のくすみが目立つようになり、実年齢よりも老けて見られることもあります。

まるで、人生という名の口座から、健康と美しさを少しずつ引き出しているようなものです。睡眠負債は、まさに「人生の負債」と言えるでしょう。

「でも、仕事や家事、育児に追われて、十分な睡眠時間を確保することなんて難しい…」

そう感じている方もいるかもしれません。確かに、誰もが十分な睡眠時間を確保することは容易ではありません。しかし、だからこそ、睡眠の重要性を改めて認識し、質の高い睡眠を確保するために、できる限りの努力をすることが大切なのです。人間が行う仕事を機械やAIに代替したり、ルーティーンを変更したり、自動化する工夫で、時間を浮かしながら睡眠時間に当てることは十分に可能です。結果、睡眠時間は増え、仕事の能率も上がります。まずは、睡眠負債の実態を知ることから始め、あなたが抱える「人生の負債」を減らしていきましょう。

「少ない労力、大きな対価」の働き方にチェンジする

「今日中にタスクを○個終わらせなければ間に合わない」といったように、常にプレッシャーや膨大なタスクに追われている悩みを抱えている人は、決して少なくないはずです。

私も、かつては「働き方」を見直すことなく、長時間労働に身を投じてきました。その結果、頚椎ヘルニアを患い、腕に痺れが出るほどの深刻な事態に陥ってしまったのです。医師から「物理的に休むしかない」と宣告され、水曜日と金曜日を半ばオフにして休養やリラックスする時間に充てることを決意しました。最初は、休むことに対する罪悪感や焦燥感に駆られましたが、次第に身体は回復し、心にも余裕が生まれ始めました。

そして、この経験を通して、大切なことに気づかされたのです。それは、長時間労働によって、私たちの心身は疲弊し、創造性や生産性を失ってポテンシャルが削がれていることです。実際、私は休養という「余白」があることで、ゆっくりと自分と向き合う時間が持て、心身のリラックスができ、仕事での成果も出るという好影響の連鎖をうみ出しています。

雇用されている方は、自由に時間を調整することはなかなか難しいかもしれませんが、健康を害してまで働きすぎる過労は避けるべきです。心や体が壊れてしまったら正常に戻るまでに時間がかかりますし、収入を得る方法は意外にも世界中どこにでもありますから、心や身体に異変が起きたときには、潔く休息を取るか、場合によっては活動をやめる決断が必要です。

日本では、「しごとより、いのち」と厚生労働省も掲げているほど長時間労働が常態化し、「KAROSHI(過労死)」という言葉が国際的に認知されるほど、深刻な社会問題となっています。2023年の調査によると、日本の年間労働時間はOECD加盟国の中でも最長クラスであり、長時間労働者の割合も世界トップレベルです。

しかし、長時間労働が生産性の向上に繋がるという時代は、すでに終わりを告げています。2023年の労働生産性国際比較では、日本の時間当たり労働生産性はOECD加盟38カ国中30位と、主要先進国の中で最低レベルという結果が出ています。

つまり、日本は「長時間労働をしているにもかかわらず、生産性が低いという矛盾」を抱えているのです。これは、非効率な働き方や、デジタル化の遅れなどが原因として挙げられます。長時間働くことでカバーするビジネスモデル自体を疑った方がいいでしょう。今こそ、私たちは従来の働き方を見直し、「少ない労力で、大きな対価」を得るための、新しい働き方へとシフトしていく必要があります。では、具体的にはどのようにすれば良いのでしょうか?

1. 休息を「投資」と捉える

十分な休息は、決して「時間の無駄」ではありません。心身を休ませることで、集中力や創造性を高め、より質の高い仕事へと繋げることができます。週休3日制や、午後3時までの時短勤務など、思い切った制度改革も検討すべきでしょう。決められた稼働の中で、成果を最大化する方法へ抜本的に変える必要があります。

2. デジタル化を推進する

日本の労働生産性の低さの一因に、デジタル化の遅れが挙げられます。業務の効率化や自動化を進めることで、労働時間を削減し、より創造的な仕事に集中できる環境を整えられます。

3. 成果に基づいた評価制度を導入する

賛否両論ありますが、労働時間ではなく、成果で評価される制度を導入することで、短時間で効率的に成果を上げる働き方が促進されます。主体性を持って動くには、緩やかに安定しない状態をつくるのも一つの策です。

4. 多様な働き方を許容する

リモートワークやフレックスタイム制など、柔軟な働き方を導入することで、従業員一人ひとりのライフスタイルに合わせた働き方が可能になります。政府も、働き方改革を推進していますが、真の変革には、企業と個人の意識改革が不可欠です。

仕事は人生の一部であり、心身ともに健康で充実した時間を過ごすことが、ひいてはより良い仕事へと繋がります。今後もどんどん人口が減少し、一人ひとりへの仕事の負担が大きくなります。今こそ働き方を見直し、短い労働時間での生産性を上げるための抜本的革新が必要です。

私たちは、「働くために生きている」のではなく、「生きるために働いている」はずです。

「もっと働け」という古い価値観から脱却し、自分らしく、そして成果を上げられる、新しい働き方を実現していきましょう。

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この記事を書いた人

佐藤 駿のアバター 佐藤 駿 クリエイター | 作家

学校では教えてくれない「遊ぶように生きる」最高の仕事術「PLAYプログラム®」︎準備中!バイク事故/脳腫瘍疑惑で絶体絶命を2度経験→生き方をアップデート | ①潜在ポテンシャル ②心身の健康 ③自動化ビジネスを融合して、利益は2倍/働く時間を1/2に | ひとり起業(事業売却6回) | 3社取締役 | 3姉妹のパパ

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