「思考は現実化する」
誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
実は、この言葉、単なる精神論ではなく、量子力学という科学の分野からも支持されているのです。
「量子論の父」と呼ばれる1918年にノーベル物理学賞を受賞したドイツの物理学者マックス・プランクは、エネルギーは連続的なものではなく、とびとびの値を持つ「量子」という単位で存在するという画期的な仮説を提唱しました。この発見は、アインシュタインの光量子仮説、ボーアの原子模型、ハイゼンベルクの行列力学、シュレーディンガーの波動力学など、多くの物理学者が重要な貢献によって、さらに発展し「量子力学」という新しい物理学の分野が築かれ、私たちが宇宙や物質をどのように理解するかという根本的な物理学の世界に革命を起こし、「量子力学」という新たな学問分野を生み出すことになりました。量子力学の世界では、物質は確定的な存在ではなく、確率的にしか捉えることができません。
例えば、電子は原子核の周りを回っていると言われていますが、量子力学的には、電子は原子核の周りのどこかに雲のように存在しており、その具体的な位置は観測するまで確定しません。常識を覆すミクロの世界がそこには存在するのです。
量子力学の不可思議さを体感できる有名な実験に、「二重スリット実験」があります。
- 電子のビームを、2本の細いスリットが開いた壁に向かって発射します。
- スリットを通過した電子は、その背後に設置されたスクリーンに到達します。
常識的に考えると、スクリーン上にはスリットに対応した2本の縞模様が現れるはずです。
しかし、実際には、スクリーンには複数の縞模様が干渉し合ったような波紋状の模様が現れます。
これは、電子がまるで波のように振る舞い、2つのスリットを同時に通過したことを示唆しています。
さらに驚くべきことに、どちらのスリットを電子が通過したのかを観測しようとすると、スクリーン上には2本の縞模様が現れるのです。だるまさんが転んだのように、振り返った時にピタッと止まるようなイメージです。物質を構成する最小単位である素粒子は、私たちの常識を超えた不思議な振る舞いを見せます。まるで、私たちの「意識」が現実を形作っているかのようなのです。
観測する前は波として振る舞い、観測すると粒子として振る舞う – この不可思議な現象は、私たちに「観測」という行為が現実を変化させている可能性があり、この「観察者の効果」は、量子力学の最も不可解な側面の一つであり、多くの科学者たちを悩ませてきました。
量子力学の重要な概念の一つに「重ね合わせ」があります。これは、素粒子が複数の状態を同時に取ることができるというものです。
例えば、電子のスピンは「上向き」と「下向き」の2つの状態を取ることができますが、量子力学の世界では、観測されるまでは両方の状態が重なり合った状態で存在しています。そして、私たちが観測した瞬間に、どちらか一方の状態に確定します。
まるで、コインを投げて、表が出るか裏が出るか、決まるまでは、表と裏の可能性が重なり合っているようなイメージです。そして、私たちがコインをキャッチして、初めて、表か裏かが確定するのです。この「重ね合わせ」の概念は、私たちの人生にも当てはめることができます。私たちの人生は、無数の可能性の「重ね合わせ」でできています。
そして、私たちが、どんな未来を選択し、どんな行動を起こすかによって、その可能性が一つずつ確定していくのです。私たちの人生は、無数の可能性の「重ね合わせ」でできており、「選択」や「行動」によってその中から一つの未来が選ばれ、現実になっていくと考えられるのです。
「思考は現実化する」という言葉は、量子力学の観点から見ると、決して荒唐無稽な話ではありません。私たちの思考、信念、意識は、量子レベルではエネルギーであり、情報です。
そして、量子力学の世界では、観測者の意識が現実を変化させる可能性が示唆されています。
つまり、「こうなりたい」という明確なビジョンを持ち、それを実現するために積極的に行動すれば、あなたの思考が現実を動かし、望む未来を引き寄せることができるかもしれないのです。
私はここにチャンスが眠っていることに気がつきました。
「無理に決まっている」と諦めていた人が、新たな挑戦を通して、自信を取り戻し、人生を大きく変えることがあります。これらの「奇跡」は、すべて「観測」=「意識」が現実を変えるということです。
発行部数1億部を突破したナポレオン・ヒルの名著『思考は現実化する』は、まさにこの「思考の力」を説いたものです。成功哲学として知られる本書の中で、「願望を具体的に思い描き、揺るぎない信念を持つことで、その通りの現実を引き寄せることができる」と説いています。世界中で読み継がれるこの言葉は、私たち人類が潜在的に持つ、「思考の力」の可能性を示しています。
「過去は変えられない」かもしれませんが、逆算思考で「理想の未来は、私たちが創造することができる」のです。
言い換えれば、不満を持ったイマがあるのであれば、それは自分が選択して招いているということです。思い返せば、結果的にうまくいかなかった事業は、最初からうまくいかない可能性があることを、知っていた気もします。あなたも思い返すと、最初からうまくいかないとわかっていたことはありませんか？
また、思い込みが奇跡を起こす「プラシーボ効果」も、思考の力が現実を変えることを示す好例と言えるでしょう。薬効成分のない偽薬を、本物の薬だと信じて服用することで、症状が改善することがあります。
例えば、激しい頭痛に悩んでいる人が、「強力な鎮痛剤です」とドクターから説明された偽薬を飲むと、頭痛が嘘のように消えてしまうことがあります。
うつ病、不安障害、パーキンソン病、そして、がん治療においてさえも、プラシーボ効果による症状の改善が見られるケースがあるのです。これは、脳が「薬の効果がある」と信じ込むことで、実際に痛みを抑制する物質を分泌したり、痛みの信号を遮断したりする効果を生み出していると考えられています。これは、私たちの「治る」という強い思い込みが、想像以上に、あなたの身体に、脳や身体に影響を与え、実際に治療効果をもたらしていると考えられている驚くべき証拠なのです。あなたの「思考」は、あなたの物語を書き換える、強力なペンなのです。
