渋沢栄一の人生論が詰まった「論語と算盤」という本を読んだことはありますか?僕はこの本を読んで、自分の気持ちと置かれている状況のバランスをとることが、人生においてとても重要であることを学びました。今回はそのことをさらに深堀していこうと思います。
約470社の会社設立に関わった資本主義の父、渋沢栄一
渋沢栄一は、2024年福沢諭吉の次に1万円札の顔になる予定の人物。大正5年にこの本を執筆し、時代を超えて特に経営者に読み継がれてきました。明治時代に起業家として470社以上の会社設立に関わり、日本の資本主義の父などと呼ばれている、すごくクレイジーな人です。
470社って本当に驚きます。JRやみずほ銀行、帝国ホテルやキリンビールなど、あたりまえのように日常に馴染んでいる多くの会社の設立に関わっているんです。だからこそ1万円札の顔になるような人なんですよね。
結構前に執筆された本ですが、現代社会にも通じるものがあるんです。本の中に出てくる「学問のために学問をしている」という言葉。現代で言うと「お受験のために勉強している」ということに当てはまります。
また、「なんとなく学問してみた結果、実際社会に出てからは~」というくだりも出てくるのですが、これも現代だと「なんとなく大学を卒業して、なんとなく会社に入ってから考えよう」みたいな考え方に当てはまります。ここ数百年くらいでは、人間の本質、根本的な性質や要素はあまり変わらないんだなと感じました。
論語と算盤のバランスをとる
本のタイトルである「論語と算盤」。算盤※1はなんとなくイメージが付きますが、論語※2って何?と思いますよね。僕の認識で簡単に説明すると、論語っていうのは道徳的なこと。人にやさしくとか、何かのために良い事をするみたいなイメージです。
そして算盤は、ビジネスで言えば儲かるために何をするか、という感じ。仕事ってお金を稼ぐことが大きな理由になりがちですよね。テレビドラマの半沢直樹は分かりやすいです。出世争いなど、人はお金儲けに一辺倒になりがち。
お金のことを考えてばかりいて、論語のところが欠落している人って結構多いのかと思います。事業を始めるときは「世の中をもっとよくしたい」だとか、「こんなものがあったらいいな」といった夢を持ってスタートする方も多いと思いますが、とくに最初のころはお金周りについての勉強や知識等に意識が集中してしまいがちです。
僕も昔は算盤のほうばっかり勉強していて、論語のほうを疎かにしていたところが反省点です。
論語と算盤のバランスをとることが、人生においてとても大切。資本主義で利益を生むこと自体がダメというわけではありません。ちゃんと利益を出すための一貫していて筋が通っている考え方、あるいは説明の仕方であるロジカルシンキングや、マーケティングの調査みたいなのは絶対に必要だけど、世の中のためになるみたいな熱い思いも必要です。
※1 算盤とは:算盤は位取りに便利なように面全体に格子線が描かれ、いくつかの方形が整然と並んで方眼状を呈しており算木をそのうえで約束にしたがって動かし計算するものである。 引用:wikipedia
※2 論語とは:孔子と彼の高弟の言行を孔子の死後、弟子達が記録した書物である。『孟子』『大学』『中庸』と併せて朱子学における「四書」の1つに数えられる。 引用:wikipedia
【私生活でもバランスを意識する】
家族に置き換えてもそうです。極端な例として、子どもがお父さんに何か楽しい遊びをして欲しいとおねだりしたときに、じゃあ体育館を作っちゃおう!と行動したら1億円かかっちゃいました。なんてことになったら本末転倒ですよね。
子どもを楽しませるという目的のために、今ある資産の中でどういうことをすれば最大化できるのかなと考え、自分の思いと置かれている状況のバランスをちゃんと照らし合わせて行動することが大切です。
例えば、おままごと用のキッチンが欲しい!と子どもから言われたとき、既製品の金額はピンキリですが、デザイン性の高いものだとそれなりの金額が必要です。また、耐久性も安価なものだと少し心細いものも。ですが、今はInstagram等で検索するとおままごと用キッチンをDIYで手作りしたり、今あるものでアレンジしている方も多く、作り方を載せているも多いです。そういったものを参考にすることで、無理することなく子どもの要望を満たしてあげられるかと思います。
僕も今後、自分の中の気持ちと置かれている状況のバランスに大きな差が出ないよう、50:50くらいにすることを意識していきます。そうすることで、今後の人生がさらに豊かになると思うのです。
渋沢栄一の「論語と算盤」は僕の中で心に残っている本の1つです。機会があれば、皆さんもぜひ読んでみてくださいね。
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