スマホの通知に追われ、マルチタスクをこなし、終わりなき仕事の山に追われる。そんな日々の中で、多くの人が「脳疲労」を抱えているのではないでしょうか?
集中力や思考力の低下、イライラしやすくなる、些細なことで落ち込む…心当たりがある人もいるかもしれません。そんな現代人の強い味方となるのが、「サウナ」です。
サウナは、ただ気持ちいいだけでなく、脳科学の観点からも、その効果が注目されています。特に、脳疲労の軽減に効果的なのが、「DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)」という脳の活動を抑える効果です。DMNとは、脳が何もしていない安静時に活動が活発になる脳の領域のことで、過去の記憶や未来への不安、他人への評価など、様々な思考をグルグルと巡らせている状態で、ぼーっとしているつもりでも、脳の70%程度のエネルギーが使われている脳回路です。DMNは、内省や創造性を担うなど、重要な役割も果たしていますが、過剰に働きすぎると、脳疲労を引き起こし、集中力や創造性を低下させてしまいます。サウナに入ると、高温環境によって交感神経が優位になり、心拍数や体温が上昇します。同時に、脳はリラックス状態へと導かれ、DMNの活動が抑制されるのです。
フィンランドの研究によると、サウナに入ると、脳波のアルファ波が増加することがわかっています。アルファ波は、リラックス状態や集中力を高める脳波として知られており、サウナが脳を休ませ、ストレスを軽減する効果を示唆しています。サウナでDMNをオフにすることで、脳は本来の休息を得ることができ、その結果、以下のような効果が期待できます。
- 脳疲労の軽減: 頭がスッキリし、思考がクリアになる
- 集中力・創造力の向上: 新しいアイデアが浮かびやすくなる
- ストレス軽減: 心身のリラックス、不安や緊張の緩和
- 睡眠の質向上: ぐっすり眠ることができ、疲労回復を促す
なぜサウナが流行ったかの理由は一目瞭然で、情報社会へのカウンターアプローチだったのです。サウナは、特別なものではなく、日々の生活に取り入れやすいものです。週に1~2回、近所のサウナ施設に利用するのも良いでしょう。私は、少し離れたサウナ施設へドライブしながら、耳読書をしていくのがとても好きな時間です。現代人が抱える脳疲労を解消する、まさに「現代の隠れ家」と言えるでしょう。