休んではいけない、休むことは怠けることだ、と考えてしまっていませんか?特に日本人は真面目な気質ゆえか休むことを良しとしない傾向が強い気がします。しかし誰しも疲れを感じる瞬間があります。それでも走り続けるか、一度立ち止まって休むか。疲れているのに走り続けようとしている人のために、今回は休んでいても自分は育っている、というテーマでお伝えしたいと思います。
増加する日本の自殺者数
日本では自殺者の数が年間平均2万人ですが、なかでも最近芸能人の自殺がすごく増えており、おそらくみなさんもこういったニュースに影響されるところが多少なりともあるのではないかと思います。
とりわけ、昨年からはコロナの影響で普段の活動を自粛せざるを得ない状況となり、生活様式も変わってしまいました。そのため精神的な負荷が掛かってメンタルが病んでしまった人も少なくないでしょう。これらのことから、昨年に引き続き今年は、自殺者がさらに増えるのではないかと個人的には思っています。
「他人」や「過去の自分」と比較しない
心が病んだり、身体が疲れてしまったり、他人と自分とを比較して「できないな」「ダメだな」と思い悩むことは、誰にでもあります。かつて思い描いていた理想と現実の自分とが全く合っていないようなことは人間である以上必ず経験するものです。特に芸能人は、「表舞台で輝いている自分」と「私生活のうまくいっていない自分」を比べた場合に、それらの乖離(かいり)の幅が大きいため、その分悩みも深くなってしまっているのかもしれません。
僕にもそのような時がありますし、そういったときは休めばいいのです。死を選ぶほどのつらさは当然本人でないと分かりません。しかし、個人的にはやはりベストな選択とは思えないですし、とても残念な気持ちになります。
人生は、畑と同じように耕し育てる
自分の人生を畑と捉えるという話を聞いたことがあります。
土地を耕し、種をまいて、水をあげるといった一連の作業を、人生における自己の活動に当てはめてみるのです。
例えば、種を仕事やパートナーに置き換えて考えたみた場合、種を選別してまく作業は、「職業を選択して、その職業に就く」・「愛する人と出会って結婚する」ことに当てはまります。また、まいた種に水をあげる作業は、業績を上げ目標を達成していく・幸せな家庭を築いていく、それらの過程における「努力」にあたるのではないでしょうか。
畑は手を入れてあげなければ雑草が生えてきます。もし1、2年放って置いた場合、あっという間にジャングルのようになったり、野生動物に荒らされていたりして荒れ果ててしまいます。更には育てたものも枯れてしまって収穫できず、そのままでは何か栽培することは難しいような見た目になります。
しかし、畑自体は死んではいません。もし土地が硬くなっていたらまた耕せばいいのです。育ててきたものが枯れ果て腐ったとしても、それが腐葉土のような肥料になり、次の種が生えやすくなる豊かな土壌に育っていることもあります。
これは人生にも同じことが言えます。疲れたときに休んでいることは、怠けているように感じるかもしれませんが、自分にとって大事な養分になっているのです。
疲れたら休み、そしてまた耕す。
私たちは「●●をやっていなければならない」という、一種の強迫観念のようなものがあるような気がしています。まるで休んでいることがマイナスかのように捉えられがちですが、休んでいても自分の畑は育っているので、いつか種をまいて水をあげさえすれば復活します。ですから、「疲れたら休もう」ということを伝えたいです。
戦略的休養のススメ
心が暗くなるニュースが多い日々の中で、もし今が本当に辛い人が死を選んでしまうようなことがないよう、少しでも心が軽くなるきっかけになればいいなと思います。そんな思いで今回の「休んでても、自分は育ってる」をテーマとして取り上げてみました。
目標や理想に向かって努力し続けることは大切です。しかし、もし心や身体に不調を感じたのであればいったん立ち止まって休むことも必要です。その休息が、将来大きく飛躍するための重要な要素となってくれるかもしれないのです。
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