「お金」は、私たちにとって、切っても切り離せないものです。日々の生活はもちろんのこと、未来を実現するため、そして、幸せな人生を送るためにも、お金は必要不可欠なものです。しかし、お金に対する考え方次第で、私たちは、お金に縛られ、苦しむことにもなりかねません。
私は、「お金の仕組みは、皆が一斉に信じている幻想」=コンセプトだと考えています。
お金は、元々は、物々交換の時代から進化した、物やサービスの価値を数値化し、交換を円滑にするための便利な「ツール」に過ぎません。しかし、現代社会では、お金は単なる交換手段を超えて、個人の能力や価値を測る「モノサシ」として扱われることが多くなっています。その結果、「高収入=優秀」「低収入=劣っている」といった、短絡的な価値観に囚われ、お金に対する価値観が必要以上に上がってしまったことで、精神的なプレッシャーを感じ、苦しんでいる人が後を絶ちません。確かに、お金を稼ぐことは重要です。しかし、お金を人生の最終目標にしてしまうと、自分を見失ってしまう可能性があります。
私たちの常識は、歴史的な文脈で見れば非常に狭い範囲の中でしか見えていません。歴史を振り返ってみると、「お金」と「社会的な評価」は、必ずしも一致しているわけではありませんでした。例えば、江戸時代の日本では、武士は社会的に高い身分とされていましたが、経済的に豊かだったわけではありません。一方、商人は経済的に成功していましたが、武士のような社会的な地位は与えられていませんでした。つまり、収入=人間の価値を決めるわけではなく、時代によって評価基準が違うのだということです。
お金に「縛られ過ぎない」生き方
だからと言って、お金を軽視していいわけではありません。むしろ選択の自由を得るために必要な「学問」だと思います。好きなことだけやって現代に適応しなければ、井の中の蛙状態になってしまいます。お金は、私たちに様々な「選択肢」を与えてくれる、強力なツールであることは間違いありません。
例えば、お金があれば、
- 時間的な余裕を生み出し、家族や友人との時間を大切にしたり、自分の趣味に没頭したりすることができる
- より質の高い医療や教育を受けることができ、自分自身の成長を促進することができる
- 社会貢献活動に参加することで、世界をより良い場所にするために行動を起こすことができる
重要なことは、「お金に縛られる」のではなく、「お金をコントロールする」という意識を持つことです。そのためには、お金の仕組みを正しく理解し、賢く、愛を持って、感謝してお金と付き合っていく必要があります。①「好き」を見つける、②「得意」を見つける、「③社会」の役にたつ、「④お金」をうむ。どうか、この順番を忘れないでください。
「お金のために働く人生」からの卒業
「合理的」という言葉は、とかく「効率化」「スピード」「数字」といった言葉と結びつけられがちです。しかし、本当に「合理的」な働き方とは、以下の3つの要素がバランスよく調和している状態だと私は考えています。
- 自分らしさ: あなたはどんな人生を送りたいですか?あなたの価値観、強み、情熱は何ですか? まずは、自分自身と向き合い、才能や情熱を活かせる仕事を選び、楽しみながら働くこと
- 心身の健康: 心身が健康であればこそ、私たちは、日々の生活を楽しみ、自分の可能性を最大限に発揮することができます。健康的な食生活、適度な運動、質の高い睡眠など、健康を維持し、持続可能な形で働き続けること
- 経済的な安定: 信頼できる仲間と協力し、共に成長できる環境を築くこと。経済的な不安を抱えていると、心が不安定になり、本当にやりたいことに集中することが難しくなります。収入を増やすための努力はもちろんのこと、支出をコントロールし、計画的に貯蓄することも大切です。
お金を第一に考えるのではなく、まずは、自分の人生をまっとうすることを第一に考えましょう。仕事で年収を上げ続ける努力よりも、内的動機から溢れた仕事をベースに、心地よく稼ぐことを考えるのです。その上で、お金を、自分らしい人生を創造するための「ツール」として、積極的に活用していくことが大切だと私は考えています。
新しい合理的な考えは、各々が自分の「らしさ」を解放し、自己肯定感を高めながら、経済的な安定も実現していくこと。それが、ひいては、人類全体の幸福度を高め、より良い世界を創造することに繋がっていくと信じています。