本来、多くの人は偏愛の塊で「クセだらけ」なのに、なぜか社会に出るとそのクセを押し殺して生活しているように思います。「クセ」をもっと出していった方が楽しい時間は増えるはずです。今回は、その「クセ」とは一体なんなのか、僕の体験談を交えてお伝えします。
「クセ」とは「一般常識」から少し外れた「好きの集合体」
僕は一時期、ベンチャーキャピタルの所にプレゼンの鬼と化して頻繁に説明に伺っていました。そこでいただいたフィードバックは、辛辣的なものもあれば好意的なものまで、さまざま。それを活かして資料をどんどんアップデートしていきました。
いただいたフィードバックの中で、特に記憶に残っているのが「佐藤くん、なんかいいんだけどクセがないよね」という言葉。自分ではクセの塊だと思っていたのに、プレゼンはオモロくないって結構ショックでしたw
「クセってなんだろうな?」とその時、真面目に考えてみたんです。
今思うと当時のプレゼン資料は、ビジネスのテンプレートにあてはめたロジカルなものでした。きっと言ってることは間違っていないのですが、審査側のベンチャーキャピタルといえば、毎日いろんな起業家のプレゼンを受けていて、資料を見慣れています。「この説明がきたら次はこの説明だよね」といったロジカルシンキングが出来ているのです。
ロジカルシンキングが完成されている人たちにとって、僕の資料はビジネス目線では綺麗なものに見えるけど、どこか型にはまっていて自分らしいオリジナリティがない=「クセが無い」と感じたのでしょう。
独自の事業における特徴であったり、会社や社長に備わっている原体験をもとにしているもの、一般的には変わっていてなかなか思いつかないようなアイデアなどが「クセ」というものの定義だと思います。
「論理的思考」×「クセ」が一番面白い
はっきり言ってしまうと、テンプレートに当てはめることは、調べて取り組めば誰にでもできます。しかし、人生をテンプレに当てはめるのは少し違います。同じ時期に一斉にスーツを着て就活して、面接では模範解答のような同じようなことを言って…そういったテンプレのような人生はつまらなく感じますし、面接官の印象にも残らないのではないでしょうか。
その人に備わっているオリジナリティや、最も偏愛している変なところを表現していくことがとても大事です。しかし、その部分に限定して相手に言うだけでは伝わりません。論理的思考、いわゆるロジカルシンキングがベースにあったうえでのクセが一番相手に伝わりやすく、面白がられます。
せっかくクセを持っていたとしても「ただの変わった人」という印象しか残らないのはもったいないですよね。何が人と違うかを論理的に他者に説明できるベースが備わった状態で伝えれば説得力がありますし、自分の独自性に自信があまりなくてもそれまで身に着けた知識と併せて武器にすることで、相手に自信を持って伝えることもできるのではと思います。
「クセ」というオリジナリティを少しづつ表現しよう
順番としては、まずロジカルシンキングやテンプレートをこなす数を増やしてインプットする。そしてその上にオリジナリティを乗せることが大切です。おそらく、インプットをしている中で何か自分の「クセ」や他人とは違う考え方に気づけるのではないでしょうか。無作為に自分の「クセ」は何だろうか、と考えてしまうよりもずっと効率よく「クセ」を乗せられます。
僕ももっと挑戦して、アップデートを繰り返していきたいと思います。ぜひ皆さんも、ご自身の「クセ」を少しづつ表現してみてくださいね。きっと、誰もが面白い部分を持ち合わせていると思います。
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