私たちの体は20万年前からほとんど変化していないにも関わらず、スマートフォンやインターネットの普及により、かつてないほど大量の情報に日々触れる「情報過多社会」です。私たちは常に情報に追われ、SNS などを通じて他者と比較し、承認欲求に振り回されており、現代人が1日に触れる情報量は、江戸時代の人々が1年間に触れる情報量に匹敵するとも言われています。これは、私たち人類が経験したことのない、脳への異常な負荷です。
情報過多は、私たちの脳を疲弊させ、集中力や思考力を低下させます。また、常に刺激を求める「情報中毒」の状態に陥り、不安や焦燥感を増幅させる原因にもなります。デジタルデバイスの進化は、私たちの生活を便利にする一方で、知らず知らずのうちに「考える時間」を奪っているのです。それにも関わらず、情報を遮断してしまうと刺激に慣れた頭は、退屈と不安を感じ始めます。デジタルデバイスでの効率化が進むほどに、仕事の量は減るどころか実は増える一方で「中毒状態」に陥りがちです。
「お金」を追い求め続ける時代は終わりを告げ、現代は「自分で選択権を持って生きる自己実現」の時代へと突入しています。情報過多社会を生き抜くためには、デジタルデトックス(デジタル機器との距離を置くことで心身を休ませる行為)などを通して情報社会との適切な距離感を保ち、「自分にとって本当に大切なもの」を見つめ直す時間を取ることが重要です。
自然と触れ合い、趣味に没頭し、家族や友人との時間を大切にする。そして、自分の才能や情熱を活かせるような「生きがい」を見つけ出すこと。それは、必ずしもお金や社会的地位と結びついている必要はありません。私たちは、消費すること、情報に追われることから意識的に距離を置き、自分自身と向き合う時間を大切にする必要があります。一旦、スマホやテレビの電源をオフにして大自然の中に飛び混んで情報を遮断し、早すぎる情報社会から逸脱する行動をし、今こそ「生きがい」を軸にした価値観へのシフトが求められているのではないでしょうか。