世界が気づき始めた、古くて新しい日本の「引き算の美学」

あなたは、「足し算」と「引き算」、どちらの人生を歩んでいますか?

現代社会は、まさに「足し算」の時代と言えるでしょう。情報、モノ、刺激、選択肢、競争…。あらゆるものが過剰で溢れかえり、私たちは、常に「もっと」「もっと」と、何かを追い求めることを強いられています。
しかし、本当に大切なものは、何かを「足し続ける」ことによって得られるのでしょうか?人は「ない」ものに注目すると、簡単に不幸に引き摺り込まれます。日本には、古来より「引き算の美学」と呼ばれる、独自の感性が存在します。茶道、華道、盆栽、水墨画、禅。これらの伝統文化は、いずれも「余分なものを削ぎ落とし、本質だけを際立たせる」という、シンプルの極みを目指しています。
例えば、茶室は、侘び寂びの世界観を体現するために、装飾を極限まで排し、簡素な空間の中に、静寂と落ち着きを生み出しています。これは、華美な装飾や、物質的な豊かさよりも、「心の豊かさ」「静寂の中にある美しさ」を大切にする、日本人の精神性を表していると言えるでしょう。千利休は、「一期一会」の精神を重んじ、茶室に入る前に、塵一つないよう丁寧に庭を掃き清め、客人をもてなしました。これは、単なる形式的な作法ではなく、雑念を捨て心を込めて「おもてなし」をするための、心の掃除でもあったのです。

スマートフォンやインターネットによって、私たちは、膨大な情報に日々さらされ、常に「つながっている」ことを求められるようになりました。その結果、心は休まる暇がなく、ストレスや不安を抱えやすくなっているのです。情報が洪水のように押し寄せ、モノが溢れかえる時代においては、この「引き算の美学」が、これまで以上に重要になってくるでしょう。なぜなら、私たちは、「情報過多」によって、本当に大切なものを見失い、「モノ」に囲まれながらも、心が満たされないという、矛盾した状況に陥っているからです。このソリッドに削ぎ落とす美学は、世界に誇るカウンターカルチャーです。もともと日本人は引くというスキルに長けているのです。

「引き算の美学」を実践するために、私たちができることは、一体何でしょうか?それは、不要なノイズをバッサリと手放していくことです。物質的なモノだけでなく、人間関係、情報、思考パターンなど、あらゆるものが対象となります。例えば、SNSのアカウントを整理したり、不要な買い物を減らしたり、ネガティブな思考を手放したりしましょう。そこで、現代版「引き算の美学」として、注目されているのが、以下の3つの考え方です。

  1. デジタルデトックス
    ● 一定期間、スマートフォンやパソコンなどのデジタル機器から離れることで、心身を休ませ、デジタル機器への依存から脱却する。
  2. ミニマリズム
    ● 本当に必要なモノだけを選び抜き、シンプルに暮らすことで、心身のゆとりを生み出す。
  3. マインドフルネス:
    ● 「今、ここ」に意識を集中することで、雑念を手放し、心の平静を取り戻す。
    これらの実践を通して、「引き算」を繰り返すことで、あなたの心は、次第に軽やかになり余白が生まれます。これ以上足さずに、原石を磨き上げましょう。

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この記事を書いた人

佐藤 駿のアバター 佐藤 駿 クリエイター | 作家

学校では教えてくれない「遊ぶように生きる」最高の仕事術「PLAYプログラム®」︎準備中!バイク事故/脳腫瘍疑惑で絶体絶命を2度経験→生き方をアップデート | ①潜在ポテンシャル ②心身の健康 ③自動化ビジネスを融合して、利益は2倍/働く時間を1/2に | ひとり起業(事業売却6回) | 3社取締役 | 3姉妹のパパ

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