日本では自殺者の数が非常に多く、特に2020年は11年ぶりにその数が増加、年間約2万人の方が自殺で亡くなっている※そうです。
自分以外の人のことについて、いったい何を考えて、今何を感じているのかは本人にしか分かりません。自分のことですらしっかり考えないと分からないところがあるし、また考えたところでそれが正解なのかが判断できないことも往々にしてあると思います。
そこで、「小さなHelpに気づく」についてです。対面しているふとした瞬間に、仲がいい友達や家族にしか分からないような違和感のある表情や言動が見えたり、その場の空気のようなものが普段と違っていると感じたりすることはないでしょうか。
僕自身、相手の表情や空気感で僅かな変化を感じることがあり、尋ねてみるとやはりそれには理由があったというような体験が結構あります。
※参照:警察庁「自殺者統計」
話し掛けるだけで人を救えることがある
さすがにインターネット上やテキストからでは分かりませんが、実際に会ったときにその人のまとっている空気のちょっとした変化に気づいたら、僕は出来るだけ声を掛けるようにしています。間違っていたとしてもです。
自分の気づきが合っているかどうか分からなくても、とりあえず話し掛けてみるということは非常に大事な気がします。
人は、本当に悩んでいたときに、話し掛けられたというひとつのきっかけにより、不安に思っていることをダダダッと雪崩のようにしゃべり出すことがあります。ですから、話し掛けるだけでも人を救えるときがあるんだよということを伝えたいと思っていました。
声をかけておいてよかったと思った出来事
うつ病を患っていた友人がいます。病気のときの彼は暗くて重苦しい空気をまとっているようで、やはり言動も悲観的なことが多く、一緒にいるだけでこちらもなんだか重くなってくるような感じがしました。僕は精神疾患を患った方への正しい対応は分からないですが、そのとき無理矢理にでも少し話したことが、実は人助けになっていたということが後になって分かるときがあります。僕がその彼から「あのとき連絡をくれなかったら僕は死んでいたかもしれない」と言われたときは、やはり声を掛けておいてよかったのだなと思いました。
五感…視覚や嗅覚・聴覚・触覚・味覚などは分かりやすいですが、これ以外にも空気が少し変だなと気づく感覚、五感を超える第六感のようなものがあると感じる時があって、特に身近な人に対して少し違和感を持った場合は話し掛けてみることが大事なのかなと思っています。
一歩踏み出しでしまえば歩くしかないのと同じように、自分が不安になっているときに一言ポロッとこぼしたことに対して「いったいどうしたの?」と聞かれるとそれをきっかけに次々と話し出し、そのことでメンタルが保たれたり、心が豊かな状態でいられたりするのかなと思います。
僕自身もよく分かっていない部分もありますが、少し変だなと思ったときは、分からないなりにでもいいので話し掛けてみましょうということです。
大切な人を失わないために
人が不安を抱えているときや困難な状況に置かれているときは、表情や言動、まとっている空気に何かしら小さな変化があります。わずかな変化であってもそれは我々に助けを求める叫びなのかもしれません。そのような変化を感じ取って声を掛けてあげることはきっとその人の救いとなり、本来の自分を取り戻すきっかけとなり得るはずです。
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