他人の言ったことに対し、ひねくれ、斜に構えて何もやらないよりは素直であるほうがずっといいとは思います。しかし、耳の傾けすぎにも注意しましょう。なぜなら、人は権威性のあることに対して弱く、つい耳を傾けすぎてしまうからです。例えば、お医者さんに言われたことは、そのまま鵜呑みにしてやってしまうのではないでしょうか?また、インターネット利用が活発化している現在でも、やや減少はあるもののテレビの全世代における利用率は高く、テレビ番組(特に報道番組)などで頻繁に言われていることは、それが正解だと思ってしまいがちです。コロナウイルス感染拡大に伴い、特にコロナ関連の情報をテレビで得ている人は多くその影響も顕著です。このように、テレビなどの多数の人が目にしやすい声や権威のある方の声、世間的に大きな声は多くの人に影響を与えるかもしれませんが、中にはトラップ、落とし穴が隠されている場合もあるので、全てを言葉通り受け取ることには慎重になったほうがいいように思います。
疑問をもち、総合的に判断してみる
内容全てを真に受けるのではなく、「本当にそうだっけ?」と少し斜に構えた感じで受け取る程度にとどめ、最終的にどうするかは、自分が見たものや体験したことも踏まえたうえで総合的に判断したいものです。自分が目の当たりにしたこと、実際に経験した事柄から見いだせる法則(経験則)というものは限られているので、それだけで判断するのは少し難しい部分もあるかと思います。要はバランスの問題であって、リアルで偽りのない事実は、正確な判断を下すための重要な手掛かりとなってくれることに違いはないのですから。
7割信じて3割疑う、自分の見解を作る
理屈くさいと感じる方もいるかもしれませんが、僕自身についていえば、7割ぐらいは信じるけども残りの3割は疑うといった姿勢でもって、自分の見解を作るよう心がけています。
先輩などからアドバイスを頂いたときに、最初の頃は言われたことを素直に全部やっていました。しかし、経験則がたまったからなのかもしれませんが、今は全部を鵜呑みにしてやることはありません。
アドバイスは、あくまでその人の成功体験をもとになされるものです。ハード=体とか思考などは人それぞれ異なっているし、常に世界も動いており、市場も常に変動します。ですから、他人の事例をそのまま自分に当てはめて正解を出すのは難しいと考えています。根幹の部分は変わらないかもしれないですが、テクニック的なところは何年かたてばほとんど変わってしまっているという認識を僕は持っているからです。
教えてもらったら自分の見解を付け加える
逆に、何かを教える立場であったときに、こちらの言ったことを素直にやってくれるとうれしく感じるものです。ですから、教えてもらったことを「やってみました!」といった感じでやってくれる人というのは好感を持たれるでしょうし、また、実際にやったほうがいいはずです。さらに、「やってみて私はこう思った」と自分の見解が付けられるようになればなおいいと思っています。
読書などもそうかもしれません。「この本いいよ!」と勧められて「ありがとうございます」といってすぐ読んでみる。そして、自分の見解を持つ。他人と同じ意見である必要はありません。同じ本を読んでいても読者個人の見出したメッセージ性つまりコンテクストや、背景がそれぞれ異なるので受け取り方が多面的であって当然です。
全部が全部、100%素直に動くというのもどうなのかなと思いましたので、今回のテーマ「耳を傾けすぎも良くない」をテーマにしてみました。皆さんも7~8割ぐらいは素直に受け取って、残り2~3割ぐらいは自分が感じたことを見解として付け加えるようにしてみてはいかがでしょうか。
疑う姿勢で自分なりの答えを導き出す
人間関係を円滑に進めるためには素直さが必要です。ただし、素直になりすぎないよう、相手の話に耳を傾けすぎないよう注意しなければなりません。
他人の言ったことが100%正しいと限らないのは当然として、たとえ正しい場合であってもその時々の状況や個人個人の環境によって、自分にとっての最適解とはなり得ない場合もあるからです。
ですから、ある程度疑う姿勢を持つことも大事だと思います。疑いや否定的に思う部分があれば、そこは自分の経験を通じて得た知識などで補完してあげるのです。そうすれば、自分なりの見解、答えが導き出せるのではないでしょうか。
移動中やスキマ時間は、音声でもお楽しみいただけます!