今日のテーマは『「足す」より「引く」心と体のデトックス』です。
普段の自分を振り返ってみると、足すことばかりに注意を払っているなと思っています。
本を多く読むことで情報も増えていき、合理的な判断ができるようにはなりますが、いろいろな知識が増え過ぎて疲れてしまいます。食べたいものを食べることで食欲は満たされますが、思うまま食べ過ぎてしまえば栄養が偏ったり胃が疲れてしまったり。あげく体重を気にしなければなりません。欲しいものを思いつくまま買えば所有欲は満たされるかもしれませんが、今度はものがあふれていって本当に自分に必要なものを見失ってしまいます。
基本的に皆、足すことは得意ですが引くことに関してはあまり意識してやっていないのかもしれません。
引くことで答えがクリアになってくる
年末などの大掃除には断捨離をするように、限られたタイミングでは引くことはあっても日常的にはあまりやっていないようです。身の回りのこと、掃除やダイエット、人との関係性なども含め定期的に引くことを意識してやってみることは大切です。
仕事をしていれば不安なことも出てくるかと思います。特に会社を経営している立場であれば、なおさら悩みごとが多くなるのではないでしょうか。そういうときは、勉強をして知識を詰め込む、先輩に相談してアドバイスを取り入れてみるといった具合に有益な情報をインプットすることが必要です。
しかし、あるところまでいくと自分の中に答えがあるということに気付くと思います。現代のように情報が氾濫する社会で足すことばかり考えているとそれだけで疲れてしまいます。
「引いて」綺麗にしてから「足す」ことで、成長効率を上げる
ダイエットのために高価なダイエット商品を買うというように、目的達成のためにものを「足す」のではなく、まずは体の中の状態をきれいにする、掃除するといった「引く」ことに意識を向けることが重要なのではないかと思っています。
一定期間食事をしないファスティングなどで体の中の不要なものを出し切ったうえでトレーニングをする、食事の変更・摂取量の調節などをしていったほうが土台が整うので、もっと効率は良いはずです。
仕事についてもそうです。新規事業を始めるとか、コロナの影響で会社の形態を変えないといけないとなった場合に、今まで作ってきたものの棚卸し、要らないサービスの契約の見直しなど一回そぎ落とす作業をしたほうがよりシンプルになって新しいことがうまく機能していくのかなと思います。一言で言えば、究極的に一回きれいにしてから足すといった感じでしょうか。
不要なものやことを「引く」ことで、本当に必要なことを「足す」余白が生れるのではないでしょうか。
受け継がれてきた日本的美意識
「足す」より「引く」というテーマなのですが、これは日本的美意識の話に近いように思います。茶道や盆栽などの日本文化について考察してみると、余分なものをそぎ落とし究極シンプルに表現することが日本人の求める感覚といえそうです。
これははるか昔から受け継がれてきた遺伝子によるものなのかもしれません。こんまりメソッド※が海外でウケているのも、そういった感性が日本人ならではだったのではないでしょうか。
※こんまりメソッドとは:「片づけをすることで、人生を変える」メソッド。特徴は、残すものを「ときめくかどうか」の基準で選ぶこと。 引用:こんまり公式ホームページ
情報社会の今だからこそ必要な引くスキル
たいていの人は物事に新しいものを足していく作業に関しては、日頃から意識しなくてもできているように思います。しかし、新しい情報やモノが次々と生まれてくる今の世の中では引くことにも目を向けなければなりません。
茶道、盆栽など日本古来の文化から見て取れるように、もともと日本人は引くというスキルに長けているはずです。
多すぎる情報を一度遮るデジタルデトックスや、お部屋の整理など、これからは「引く」をより意識して心と体をリブートして本来の自分を取り戻すきっかけをはじめてみてはいかがでしょうか。
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