自律神経は、すべて正しい

私たちは本来、自然の中でこそ活き活きと過ごせる生き物です。

燦々と太陽が降り注ぐ昼間には、外敵から身を守り、食料を求めて駆け回る。そして、夜空に星が煌めく頃には、体を休め、静かに夜を迎える。私たちの脳と体は、常に変化する自然環境に適応し、生き延びるために発達してきました。気温の変化に合わせて体温を調節するのも、危険を察知して回避するのも、すべては自然の中で生き抜くための知恵なのです。

そして、活発的に動くためにはエネルギーが必要です。私たちは、活動と休息を繰り返すことで、エネルギーの消費と回復のバランスを保ちながら生きてきました。「動く」と「休む」。

この2つのモードこそが、私たち人間が本来持つ、自然なリズムなのです。

しかし、仕事に追われ、人間関係に悩み、情報過多な日々の中で、私たちは知らず知らずのうちに常に「戦う」ことを要求しているかのようで、心身に大きな負担をかけています。そして、このストレス社会に立ち向かうために重要な役割を担っているのが「自律神経」です。

自律神経とは、私たちの意識とは無関係に、呼吸、消化、体温調節、血液循環など、生命維持に欠かせない機能を24時間体制でコントロールしている神経系です。 

自律神経は、アクセル役の「交感神経」とブレーキ役の「副交感神経」の2つがシーソーのようにバランスを取りながら働いています。日中、私たちが活動しているときは、交感神経が優位になり、心拍数を上げたり、血圧を上昇させたりして、活動するためのエネルギーを生み出します。 集中力が高まり、パフォーマンスが向上するのも、交感神経のおかげと言えるでしょう。

一方、夜になり、休息や睡眠をとるときは、副交感神経が優位になります。 副交感神経は、心拍数を落ち着かせ、血管を拡張し、消化活動を促進することで、身体をリラックスさせ、休息と回復を促します。この交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズに行われている状態が、自律神経のバランスが取れている状態です。 しかし、現代では、長時間労働、睡眠不足、ストレス過多などにより、交感神経が過剰に緊張し、副交感神経が十分に働かない状態が慢性化する人が増えています。これを自律神経失調症といい、バランスが崩れると様々な不調が現れます。

厚生労働省の調査によると、2024年には、自律神経失調症を含む精神疾患の総患者数は479.3万人にものぼると予測されています。 これは、現代社会におけるストレスの深刻さを表していると言えるでしょう。では、乱れてしまった自律神経のバランスを整え、心身の健康を取り戻すにはどうすれば良いのでしょうか?その鍵となるのが、「サーカディアンリズム」です。

サーカディアンリズム(概日リズム)とは、約24時間周期で変動する、生物に本来備わっている生理現象です。 私たち人間だけでなく、動物、植物、微生物に至るまで、地球上のほとんどの生物がこのリズムに従って生きています。サーカディアンリズムは、睡眠と覚醒、ホルモン分泌、体温調節、代謝など、私たちの身体の様々な機能に影響を与えています。 そして、このリズムを刻む最も重要な要素となるのが「光」です。光は「光子(フォトン)」と呼ばれる素粒子でできています。

朝、太陽の光を浴びることで、体内時計がリセットされ、セロトニンやコルチゾールなどのホルモンが分泌され、活動モードに切り替わります。 一方、夜になり、暗くなると、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が促進され、休息モードへと移行します。

しかし、現代では、夜遅くまで明るい環境で過ごしたり、スマートフォンやパソコンのブルーライトを浴び続けたりすることで、サーカディアンリズムが乱れがちになっています。サーカディアンリズムの乱れは、自律神経のバランスを崩し、様々な不調を引き起こす原因となります。

そこで、おすすめなのが「自然の中に身を置く時間」を増やすことです。

太陽の光を浴びながら、自然の中で軽い運動をしたり、リラックスしたりすることで、サーカディアンリズムがリセットされ、本来のリズムが整っていきます。 自然の中に身を置くことは、ストレスから解放され、心身をリフレッシュするための最良の方法と言えるでしょう。 

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この記事を書いた人

佐藤 駿のアバター 佐藤 駿 クリエイター | 作家

学校では教えてくれない「遊ぶように生きる」最高の仕事術「PLAYプログラム®」︎準備中!バイク事故/脳腫瘍疑惑で絶体絶命を2度経験→生き方をアップデート | ①潜在ポテンシャル ②心身の健康 ③自動化ビジネスを融合して、利益は2倍/働く時間を1/2に | ひとり起業(事業売却6回) | 3社取締役 | 3姉妹のパパ

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