「将来の夢は?」子供の頃から、何度も聞かれてきた質問かもしれません。
誰もが、
- スポーツ選手
- 医者
- 先生
- パイロット
など、具体的な職業を思い浮かべたのではないでしょうか?
そして、大人になるにつれて、
- 「一つのことを、コツコツと続けることが大切」
- 「一つの会社で、長く働き続けることが美徳」
といった価値観に縛られ、一つの分野に絞ること、一つの場所で働き続けることが「正しい」と思い込んでしまう人は少なくありません。しかし、本当に、「天職は一つだけ なのでしょうか?本当に、 「一つのことだけを、極め続ける人生」 だけが、幸せなのでしょうか。そもそも「極める」という天井はあるのでしょうか。
私は好奇心旺盛で新しいことを学ぶのが好きで、新しい分野に飛び込んだら一気に進めて完成させることができます。しかし、いつしか興味が薄れていき、ある一定の成果が出ると途端に退屈になってしまう特徴があります。私のようなタイプは、0から10を生み出すことに長けているものの、10から100に伸ばす作業には向いていないことが多いです。そんな自分ではダメだと思い、一時期は努力したこともありますが、不向きなものはどう足掻いても得意な人には歯が立たないため、得意な人や協力会社にお任せするスタイルに変えました。得意分野が異なる人同士が、お互いの不得意を補い合い、良いチームが出来上がります。
間違って欲しくないのは、適当に中途半端で投げ出して迷惑をかけていいという意味ではありません。期待値をあげすぎずに幅広い実験によって得た知見と、どハマりしたら領域を一点集中で掘り下げ、長い時間をかけてコツコツと続ける。知らない世界を垣間見る好奇心は、まるで一定期間の区切りがある旅のようだ。時に失敗となった事柄でも、その失敗を糧にした知識の幅でアイデアを統合し、新たなカテゴリーを生み出す可能性もあります。
近年、「マルチポテンシャライト」という言葉が注目されています。これは、作家でありコーチのエミリー・ワプニックが提唱した概念で、「複数の分野に興味や才能を持ち、それらを活かして、多様な活動を行う人」のことを指します。そして、あなたもまた、マルチポテンシャライトの一人かもしれません。私も職人のように一つの強みを掘り下げるということに魅力を感じたこともあります。この価値観に「自分は中途半端だな…」と悩んだこともありましたが、マルチポテンシャルという考え方には、とても勇気づけられたことを覚えています。
- 次から次へと、新しいことに挑戦してみたくなる
- 幅広い分野の知識やスキルを身につけたいという意欲がある
- ひとつのことを極めるよりも、様々なことに挑戦すること自体を楽しめる
もし、あなたがこれらの項目に当てはまるものがあれば、異なる領域を軽やかに横断する能力で、それは「欠点」ではなく、むしろ、大きな「強み」になり得るのです。
マルチポテンシャライトの3つの強み
マルチポテンシャライトは、以下の3つの強みを発揮することができます。
- アイデアの宝庫: 幅広い知識や経験を組み合わせることで、独創的なアイデアを生み出すことができます。
- 変化への対応力: 変化の激しい時代において、柔軟に対応し、新たな環境に適応することができます。
- 橋渡し役: 異なる分野の人々をつなぐことで、新たなイノベーションやコラボレーションを生み出すことができます。
社会の変化が、マルチポテンシャライトを必要としている
かつて、終身雇用が当たり前だった時代には、「一つの会社で、一つの仕事を続けること」が、安定と成功の象徴でした。
しかし、現代社会は、グローバル化、情報化、技術革新などが急速に進展し、VUCA(変動性・不確実性・複雑性・曖昧性)の時代です。
このような時代においては、
- 新しい知識やスキルを身につけること
- 変化に柔軟に対応すること
- 複数の分野を横断的に理解すること
が、ますます重要になってきています。
そして、これらの能力を持つ マルチポテンシャライト は、まさに、 時代の変化に対応できる、貴重な人材 と言えるのではないでしょうか。私たちは総合格闘家のように、あらゆる情報やツールを自分なりに編集する必要性が高まっています。
「あれもこれも好きで、一つのことに絞れない…」
「色々なことに興味があるけど、結局、どれも中途半端になってしまう…」
そんな風に悩んでいる人もいるかもしれません。しかし、「好き」を諦める必要はありません。複数の「好き」を掛け合わせることで、あなただけの「天職」を創造できるかもしれません。
例えば、
- 「文章を書くこと」が好きで、「旅行」が好きなら、「旅行ライター」
- 「人と話すこと」が好きで、「心理学」に興味があるなら、「カウンセラー」
- 「料理をすること」が好きで、「写真」が好きなら、「料理研究家」
など、可能性は無限に広がっています。
Apple 創業者であるスティーブ・ジョブスは、
「創造性とは、点と点をつなぐことだ。何かを創造できる人は、そうでない人と比べて、多くの経験をしているわけではない。彼らは、単に、物事を結びつける方法をより多く知っているだけだ」
という言葉を残しています。一見、関係ないように見える「点」も、点と点をつなげてみることで、全く新しい価値を生み出すことができる。そして、多くの「点」、つまり多様な興味や才能を持っている人ほど、より多くの「繋がり」を発見できる可能性を秘めているのです。
そして、幅広い挑戦と失敗を通して、
- 「好き」で
- 「得意」で
- 「役に立つ」
自分自身と向き合い、心の声に耳を傾けることで、あなただけの「答え」が見えてくるはずです。
偽りの自分を脱ぎ捨て、本当の自分を解き放ちましょう。
「一つのことに絞らなければいけない」
「一つの場所で働き続けなければいけない」
そんな風に、自分を縛り付けているのは、もしかしたら、「他人」ではなく、「自分自身」かもしれません。そもそも、ほとんどの人が多動すらしないのですから、動きが多い人はそれだけでも賞賛されると思いますし、私は心から応援します。あなたの才能を開花させてください。世界は、あなたの活躍を待っています。